免疫・アレルギー科学総合研究センターの免疫発生研究チームは、血液細胞のつくられる過程について、従来の学説を覆す発見をしました。
リンパ球は大きくTリンパ球とBリンパ球に分けられますが、両者は長らく特別に近縁な細胞であろうと想定されてきました。そのため、血液細胞の分化経路図としては、最初にリンパ球共通前駆細胞とそれ以外の系列の共通前駆細胞に分岐するというモデルが信じられてきました(図1)。
今回の発見は、従来のモデルが間違っていることの決定的な証拠を示すものです。
研究チームは、T細胞のもとになる前駆細胞は、B細胞をつくる能力を失った後も、マクロファージ(大食細胞)をつくる能力を保持していることを明らかにしました。
さらに、従来のモデルに変わる新しいモデルとして、Tリンパ球、Bリンパ球、赤血球系への分化はいずれもミエロイド系(食細胞系)細胞をつくる能力を保持したまま進行するというモデル(ミエロイド基本型モデル、図2)を提唱しています。

この発見により、教科書に使われている血液細胞の分化経路図は、書き替えを迫られることになります。
元の記事はこちらにあります。
Tリンパ球の兄弟はBリンパ球ではなく食細胞